https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166612956
ご存知、東京大学名誉教授の上野千鶴子さんのご本ですが、この本の評価は別と
僕は結婚して10年子供が出来ませんでした、新婚当時は「そのうちにできるだろう、、、」と、タカをくくってましたが、八年目九年目ともなれば殆ど諦めの境地に達してきたのが本当のところでしょう
このまま二人で年老いて、いつかはどちらかが先に逝って、残された方は孤独死して死後数週間後に遺体の異臭で近所の人に発見してもらって、、。
というリアルな想像しながら眠りにつく夜も珍しくはなかったです。
そしていつも思ってたのは「俺が妻よりも一日でも長生きして妻を見送ってから一人で逝けれれば、、、」と、そんな妄想想像の毎日でした。
これは子供のいないご家庭の人は誰でも思うことでしょうし、勿論、独身の方は配偶者への気遣いは無くても孤独死を覚悟してると思います。
我が家には、その後に久方ぶりに夫婦の穢らわしい?交わりを経た結果、幸いにも子宝に恵まれ、しかも跡取り息子で、その息子も成長して艱難辛苦の末に第一志望の大学に入れてその入学式では上野千鶴子先生の「祝辞」を拝聴させていただけました。(ここではその感想は割愛します)
子供って宝です、だから子宝って言うのです。子宝は恵まれて初めてその価値が実感します。
我が子が幸福になれるか否かはまずは親の躾と教養にあると確信しています。
でも、親も子供が出来て初めて親になるわけで、それまでは歳は食っていてもガキなのです。
子育ても素人だし全てが未知の中での手探り状態でした。
時には行き過ぎた躾や体罰もありましたが、全ては子を思う親の気持ちからなのですが、残念ながらその気持ちが子供に100%伝わってないのが現実なのです、要するに子供にしたらいつも煩いだけの親でしかありません。
息子が幼稚園年少か年中の時、流石の息子も親の厳しい躾にブチ切れて嗚咽して泣きながら「いちいち、いちいち文句言うな!いちいちいちいち、、、」って泣くのです。
僕らも初めての子育てだったのでその手加減が分からずについ厳しくし過ぎてたのかも知れないと思って反省してました。
その数週間後、家族でお出かけしてた地下鉄の吊り広告で週刊誌の広告が目に止まりました。
例の山口県H市での母子殺害事件の事を記事にした週刊誌の広告でしたが、僕はそれを見るなり「こんな奴は早く吊るしてしまえ!!」って車両中に聞こえそうな大声で吠えていたら息子が。「そんな事言うてたら父ちゃんも死刑になるんやで」と妙に納得なリベラルな言葉が幼稚園児の息子の口から出てきたのです。
そこですかさず。「人を殺したら死刑になって当たり前や、父ちゃんも殺したい奴は何人かいてるが、死刑になるのが怖いから殺してへんのや、お前も死刑にさせたくないからいつも口煩く叱ってるねんで!」って言ったら息子はハッとした表情で僕を見てました。
あの時に、いつも口煩いばかりの親は実は自分の為を思って叱ってくれてる事が理解出来たようです。
その後は、いくら厳しくしてもじっと耐えて受け入れてくれてました。
僕はこの地下鉄での事はひとつの奇跡だと思っています。
こんな奇跡がいくつか重なって今の息子が有るのだとも思って感謝の日々です。
いくら子供が出来ても問題児であったり、病弱であったりすればひとつも幸福ではありません。
子供を心身ともに健全にするのが親の務めであって親の幸福だということも知って欲しいです。
高名な上野千鶴子先生の「孤独死のススメ」も宜しゅうございますが、真っ当な子育ての楽しさはまた格別でございます。